北海道ドライヴ旅行その2
7月26日(金)・・・小雨のち曇り・・・大学時代、北見市から来ていた友人がいました。今は千葉県にお住まいですが、学生時代にお宅へ泊めていただいたことがあります。半世紀以上前の旅行でしたが、ガラス戸にも家紋が付いている立派なお屋敷だったと記憶しています。あの時は摩周湖を訪れたり、アイヌの衣装を着たり、樽の形をしているバンガローに泊まったりしましたっけ。北見のあたりは景勝地が多いですね。
小清水原生花園には、小さなJRの駅があります。時々かわいらしい電車が走っています。この辺は自然のまま残された花園が多いです。
次にオホーツク流氷館へ行きました。ここでは、冬のオホーツク海を体験できる部屋が作られていて、夏でも流氷に触ることができます。
網走刑務所が博物館になっているところは、すぐ近くです。立派な橋を渡ると刑務所の門が見えました。橋の下には睡蓮がたくさん咲いていました。門のそばのおじいさんの像は、脱走の名人で有名だった人だそうです。沢山の囚人がいっしょに寝ていた部屋や、農作業をしていた畑には働いていた人たちの等身大の人形がいました。当時は電話も無かったので、通信は
伝書鳩が使われていたそうで、人形の回りを鳩がぐるぐる回っていました。孫娘は熱心に伝書鳩の話を聞いていました。独房やお風呂や、いわゆるくさい飯を食べる部屋もありました。囚人達が着ていたオレンジ色の獄衣を借りることができたので、夫と長男が借りて監獄の飯を試食できる部屋で獄衣を着た人形といっしょに写真におさまリました。ガイドツアーの人たち
が前を通って、ガイドさんがくすくす笑いましたので私が「これはロボットなんですよ」と言って笑わせました。
次にワッカ原生花園へ行きました。オホーツク海とサロマ湖(北海道で一番大きい湖。日本では3番目)に挟まれた細長い砂州で、ワッカとは水の意味だそうです。たまには馬車に乗ってと、花園を走りました。北海道はやはり6月から7月の初めごろが一番花がきれいなんだそうです。えぞすかしゆりが一面に咲いて、それはそれはきれいだそうです。御者のお兄さんが沢山花の名前を教えてくれました。今はハマナスや小さな可憐な花々(えぞかわらなでしこ、ノコギリソウ、いたどり、えぞふうろ、なみき草、小リンゴ、武者りんどう、コゴミ萩、ホタルサイコウ、かせん草、浜うつぼ、など)ピンクや白、黄色、紫と草原が広いので目立ちませんが、ひっそりと咲いていました。馬車が途中で止まったので、オホーツク海の浜辺まで行ってみました。
今日のホテルはバイキングで、少しづつ食べられるので老人にはうれしかったです。ただ皿数ばかり並んでいる一見豪華そうな食事より、手作り風で美味しかったです。小さなピザの台に自分の好きなトッピングを載せて目の前で焼いてくれたりしました。また食事中大変夕日が美しかったです。このホテルの周りは平原で畑が続き、ラグビーの練習場なども出来ていまして、体格のよい選手達が合宿をしていました。アウトドア志向のホテルでした。・・・・・・北天の丘「あばしり湖鶴雅」
7月27日(日)・・・晴れ・・・よく晴れて朝早く熱気球に5分間乗る経験をしました。茶色い麦と緑のビートがパッチワークのように美しかったです。気球をふくらませるところから、ずうっと見物できました。昨日までは梅雨のようだったので、ビール用の小麦の収穫をホテルのスタッフが心配していました。
今日はオホーツク海から日本海側へ移動の日です。網走→北見→温根湯温泉→大雪山国立公園・流星の滝・銀河の滝→層雲峡温泉など、北海道のど真ん中を走りました。ビート、ジャガイモ、麦、蕎麦の畑がずうっと続いていて、ゆるやかな起伏があり、これぞ北海道、といえる景色の中を走りました。しかし一日中晴れて日差しは強かったです。
北竜町のひまわり畑は、だんだんに咲いていくように、満開のところとまだ全然咲いていないところと、広い広い場所に、ひまわり、ひまわりばかりがずうっと続いて圧巻でした。20ヘクタールの土地に100万本のひまわりだそうです。北竜町の道の駅の門は大きな竜が守っていて面白かったです。温泉と宿泊施設と、こういう公的な場所が北海道には多く、それらをつないでいくと安く旅行が出来ると思いました。
日本海に出て北上、小平(オビラ)町には、ニシンがたくさん獲れた頃の名残、花田家という鰊御殿があったので見物しました。昔はニシンを鯡と書いたそうで、この花田家には大名と同じ位の家格を与えられていたぐらい隆盛を極めていたそうで、大名は米の石で大きさを表わしたが、ニシンは米と同じ魚に非ず、ということで鯡と書いたそうです。花田番屋は漁の最盛期には150人の漁夫が一日5回の食事を取ったそうで、一人一日7合の米を食べたそうです。
小平町のとなり、苫前町(トママエ)は大陸からの季節風の通り道で、その強風に悩まされてきましたが、その風を利用して風力発電の白い塔がなだらかな丘陵地帯に林立していました。毎年2月には凧揚げ大会も催されるそうです。・・・・・・「羽幌サンセットプラザ」
7月28日(月)・・・晴れ・・・日本海側を北上。初山別温泉・岬の湯にはゴーカートが作られていて、お花畑にはキャンプ場もできています。灯台も見えます。もう少し若ければこういう公的な温泉と宿泊施設を利用して、ぐるっと北海道を一周するのもいいかもしれません。キャンピングカーで後になり先になり走っている本州ナンバーの車がありました。
このルートはずうっと風力発電の白い塔が続きます。スエーデンの海の中に続いていた白い風力発電の塔を飛行機の中から眺めて、日本にはない景色かな、と思っていましたが、この辺はスエーデンで見たものよりもっと沢山の風力発電の塔があって認識を新たにしました。オトンルイ風力発電所は17年間北海道電力に電気を売る契約だそうで、電力会社にいた夫は興味をしめし、見学に行きました。
サロベツ原野の中を、利尻富士を遠くに眺めながらドライヴしましたが、コウホネが咲く沼があるというので、行ってみました。歩いていると大きな鯨の骨がありました。が、コウホネも盛りを過ぎていました。
宗谷岬は二回目でしたが、ずいぶん前のことなので、あーでもないこーでもない、と夫婦で小さないさかいをしました。新たに加わったと思える日米の旗が立った記念碑がありましたが、何の記念碑だったか、今はもう思い出せません。自分に関係があるものじゃないと、記憶に残らないのですね。
宗谷岬からオホーツク海側を走って、猿払まできました。こちら側はホタテの漁が盛んなのですね。ホタテの貝殻の山があちこちに見えました。猿払川にイトウがいるそうで、釣り上げた人はアンケートに答えるよう、箱が設置してありました。
猿払から宗谷までを横断する形で一部まだ工事中の国道1077号線が通っています。なんとまあ美しい道路なのでしょう。この度のドライヴ中一番の道路じゃないかと、皆が口々に言いました。なだらかな丘陵が続き、牛が草を食んでいるのがみえ、風力発電の風車が風景にアクセントを添えていました。そして前半は一台も対向車が来なかったのです。こんな立派な道路を独り占め、ときどき停まって写真を撮りました。深い渓谷に架かった美しい橋の下を覗きましたら、こんなところにも心ない人が・・・ゴミを投げ込んだ人がいたのです。とてもとても気が知れない、と思いました。
今夜の宿はこの旅行中一番安いホテルでしたが、部屋が広く清潔で、食事も「うわーっ」と声がでたほどよかったです。大きな蟹が一人一匹まるまる鎮座していました。街なかでしたから、露天風呂こそありませんでしたが、温泉でしたし、たぶんビジネスホテルなんでしょう。一人で泊まっていた男性が大部分でした。・・・・・・「稚内ホテル奥田屋」
7月29日(火)・・・晴れ・・・稚内から旭川まで、北海道の真ん中を北から南へ走ります。サロベツ原野は広い。南の端にはパンケ沼という赤い色をした沼があって、鉄魚というよく分かっていない魚がいるそうです。息子達は見に行きましたが、私たち夫婦は展望台で眺めておりました。サロベツ原野の中には車が走れる道路が作ってありまして、要所要所で、駐車場とトイレ、展望台があります。まだまだ手付かずの原野が、北海道にはたくさん残されています。
「天塩川道の駅」では私たちと同じような顔をした人たちが、中国語を話しながらソフトアイスを食べていました。ソフトアイスは北海道全土にありますね。台湾からなのか中国本土からなのか分かりませんが、どこへ行っても中国語が聞かれます。あまり西洋人は見かけません。
牧草地帯では、短い円筒形を横にしたような丸い干草のかたまりが並んでいました。案外蕎麦の畑が多いので、きっと蕎麦もうまいに違いない、と美深(ビフカ)の蕎麦屋さんへ。午後も2時を過ぎていましたが野菜のかき揚げを頼みました。「出来ているんでいいですよ」と言ったら、「かけ」用なので、「もり」では美味しくありません。と店の人がいうので、私と夫は「かけ」にしましたが、つゆもほどよく、美味しかったです。長男は「うまい!」と言って大盛りの「ざる蕎麦」を、ずるっとひとすすりか、ふたすすりで食べてしまいました。
美深(ビフカ)には「トロッコ王国」があります。JRの美幸(ビコウ)線が廃線になって観光用のトロッコに生まれ変わりました。終点の仁宇布駅から美深へ向かって5キロの区間です。昔の切符売り場をそのまま使って切符もむかしのままの厚紙の小さなもの。切符も駅員さんがやっていたように、切らせてくれます。私たちが乗ろうとしたトロ
ッコに西洋人のカップルが降りてきました。係りのおじさんが言うには「近頃トロッコ王国も有名になって、アメリカ人や台湾人などがくるんですよ。説明するのに困っちゃうんですよ」なんて言っていました。
渓流を渡る鉄橋もあって、林の中を自分で運転して進みます。5キロほど行ったところで転車台があり、また戻ってきます。そよ風を切って進むのはとてもいい気持ちでした。一度に4台のトロッコが同じ方向に進みます。だからぶつからないよう間隔を沢山とってゴーサインが出ます。
最後のホテルは大雪山旭岳のロープウエイのそば、まだ出来て1年も経たないスイスにでもありそうな山小屋風のホテルでした。ここに二泊はうれしかったですね。私たちの部屋からは旭岳の噴煙が見えました。今夜の食事は鉄板焼きと鍋と、和風で。厚岸の大アサリが出ました・・・・・「La Vista大雪山」
7月30日(水)・・・晴れ・・・午後から天気がくずれる、という予報でしたから、朝早くロープウエイで旭岳へ。よく晴れて絶好の山歩きでした。岩場が多かったので、孫娘と長男が「ほら、おばあちゃん、ここに足を置いて」なんて気遣ってくれましたが、「大丈夫だよ」と夫はどんどん前へ進みます。孫娘と息子にはきっと危なっかしくみえたんで
しょうね。「老いては孫にしたがえ」と言いつつ歩きました。自分ではあまりおばあちゃんを意識していませんが、後ろから写真を撮られると、ホントニ老婆って感じですものね。
第一展望台のすぐそばにシマリスがいて、私たちを恐れることも無く、なにやらやっていました。この前同じところへ友達と来たときには第一展望台までで降りてきましたが、今度は頂上こそ行きませんでしたが、噴煙のそばまで行かれました。「降りるほうが危ないんだよ」という息子の忠告を受けながら、綱を頼りに無事降りてきました。底がごつごつしている山歩き用の靴でよかったです。降りる頃には霧が巻いてきました。
ほんとに午前中山へ行ってよかったです。午後になると曇ってきました。旭川はラーメンの町です。ラーメン村というのが出来ていまして、ラーメン屋が10軒ばかり並んでいました。沢山人が並んでいるところが美味しいのかもしれないけれど、あまり並んでないところに入りました。旭川ラーメンを代表する店ばかりが並んでいるに違いないと思ったからです。塩ラーメンと餃子を頼みましたが、美味しかったです。北海道はどこへ行っても食べ物が美味しいですね。食べ終わる頃になると行列が長くなりました。
旭山動物園は、孫娘ばかりではなく大人たちも行きたかったところです。動物園の周りには、有料の駐車場が沢山出来ていまして、それだけ全国から人が集まるのですね。あまり大きい動物園ではないのですが、ひと工夫もふた工夫もしてあるのが人が集まる原因でしょうか?有名なペンギンのお散歩は、雪が降らないとやらないのだそうで、また雪のころこなくっちゃね、なんて思わせるものがありました。
北海道でも旭川のあたりは、昼間は日が照ると暑いです。動物達もお昼寝が多かったです。新しく導入した狼も、小さな流れの中にいたり、木陰で動かなかったり。白熊がドボンと水の中に飛び込むと、地下のガラス窓から見ることが出来ます。ゴマフアザラシが見物人の目の前の円筒形の水の中を行ったりきたり、これは有名ですよね。でも現れるとすぐシャッターを
切っても早いので、尻尾ばかり写ってしまいました。でもオランウータンの綱渡りは見ることが出来ました。
大きなサイが泥んこの中に飛び込むときに一番前で見ていた女の子の顔に泥がかかって、かわいそうでした。レッサーパンダが道路の上にかかった架け橋を渡るのを今か今かと待っていましたが、暑かったせいか、木の上でじいっとしていて動きませんでした。暑かったけれど、久しぶりに動物園を堪能しまして、おじいちゃんもおばあちゃんも疲れませんでした。
今夜は洋食で、一部バイキングになっていて、楽しめました。・・・・・・「La Vista 大雪山」
7月31日(木)・・・晴れ・・・いよいよ今日帰ります。大雪旭岳源水というのがホテルがある場所を降りてくるとありまして、寄ってみました。山から滲み出した水が岩の間から勢いよく流れ出ておりまして、いくつもいれものをもった人たちが、水を車に積み込んでおりました。きっとこの水がウリのコーヒー店かな?私たちもありあわせのペットボトルに入れました。どうして水道でもないのに、美味しい水が出るか、その仕組みが孫娘には不思議だったらしくパパに質問していました。
昨日と同じ場所で同じ時間ごろ、道路にキタキツネが現れました。狐はお母さんをこの場所でなくしたんだろうとか、単なる通り道にすぎないのだ、とか車の中はカンカンガクガク、にぎやかでした。
札幌へ向かう高速道に乗る前に、かの景勝地美瑛に寄りました。観光客用に沢山の花々が、彩りよく丘に植えられていて「ぜるぶの丘」という名前が付いていました。あまりにも綺麗過ぎて私はあまり感激しませんでした。美瑛のなだらかな丘に牧草が茂り、遠くにサイロが見える普通の景色のほうが素敵でした。
昼食はさっぽろのビール園でジンギスカンを食べ、生ビールを飲みました。運転手が他にいる、ということはなんて幸せなんでしょう。この旅行中西洋人はトロッコ王国とビール園で会った2組だけでした。今円が高くないからもう少し会うかな?と思いましたが、西洋の人々は自国でたくさんの自然の景観に恵まれているからかなあ?と無理に自分を納得させました。
千歳空港で関空経由で帰る息子達と別れました。私は「外人さんはお別れの時、こうやってハグするのよ」と孫娘を抱いて背中をたたきました。
このドライヴは全行程、およそ2850キロ、日本列島の長さ(北海道の東北端から西表島)が3000キロだそうですので、ずいぶん走ったものです。前々からいつか夫婦で北海道をドライヴしようと思っていましたが、年寄り夫婦には重荷だったと思います。面白い旅行でした。息子はよく調べ上げてみどころを走ってくれました。
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コメント
北海道の素晴らしさが伝わる素敵な内容でした。
私もいつか行くとしましょう。
いつになることやら、ですが。
投稿: あきあき | 2008年8月21日 (木) 10時02分
超大作を堪能させていただきました。
関東で灼熱地獄の中で生活している我々にしてみれば、うらやましい限りですね。
北海道は一昨日に8月としては史上最低の気温を記録したとか、ニュースになっていましたがやはり気候は全然違うのでしょうね。
投稿: サイトウキネンに行く息子 | 2008年8月23日 (土) 08時29分